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  • Yuki Yamamoto

『Core Port × Quiet Corner - Landscape 02』発売記念対談

高木洋司(CORE PORT) + 山本勇樹(Quiet Corner)



山本勇樹:前作『CORE PORT×Quiet Corner: Landscape 01』のリリースから約3年が経ちましたが、その間に実はけっこう活動をしていて、韓国でディスクガイド本が出版されたり、何枚かコンピレーションCDを選曲したり、ラジオに出演したり、その中でもやっぱりディスクガイド本の第二弾が出版されたことが大きな出来事でした。このタイミングでまたクワイエット・コーナーのことを知って下さった人もけっこういたのではないかと思います。色んな反響の中で、「コアポートとのコラボレーション盤も面白かったですね」、という声も僕の方に届いたので、だから、いつか第二弾やりたいなと、虎視眈々と狙っていました。


高木洋司:あの時とりあえず“01”とつけましたが、やっぱりそれで良かったですよね。


山本:当初からシリーズにしたい気持ちがありましたからね。高木さんの方では、前作のリリース後の反応はどうでしたか?


『CORE PORT×Quiet Corner: Landscape 01』


高木:もちろん新譜としても売れますが、クワイエット・コーナーって割とコンスタントにバックオーダーで出荷し続けるんですよね。それはさっき山本さんが言っていたように、クワイエット・コーナーとして要所要所で活動していて、多くの方の目に触れているからだと思います。


山本:CDでいうと、レギュラーのシリーズの他にたまにこういったコラボレーション盤とか、アーティストの編集盤とかを出しているのも、活動の良いクッションになっているのかなと。レギュラー盤は自由に選曲できるけど、コラボレーション盤は制限があって、それが僕にとっては楽しいですね。過去、高木さんとはサラヴァ・レーベルの音源を集めた『Saravah for Quiet Corner』をはじめ、何枚もコラボレーション盤を作っていますけど、本当にどれもやりがいがある選曲でした。


『Saravah for Quiet Corner』(2012)


高木:二つのブランド・ネームになるからバランスがけっこう大変な作業じゃないですか?


山本:コアポートの新譜は、毎回出る度に聴いているので、そういった不安はまったくなくて、アートワークも含めて最終的には良いものができるのは間違いないから、あとそれ以上に仕上げていく作業ですよね。まあそれが難しいんですけど。


高木:僕は、仕事を始める朝一番で聴くアルバムが今回増えたので嬉しいです。大体、朝9時前後から仕事を始めるのですが、1発目の導入BGMというものはスムースに入っていくためにかなり大きいんですよ。最近はずっとこのシリーズの“01”と“02”を続けて聴いています。結構色々な発見もあって、“01”と“02”どちらも似たような感じのようで、でも何だかちょっと微妙に違っていてこれはなんだろうと。色々考えたんですけど、これってベツレヘム・レーベルみたいだなと。


山本:それはどういう意味ですか?


高木:“01”がベツレヘム・レーベルのいわゆるイースト・コースト版で、今回はウエスト・コースト版のようなものみたいだなと。1950年代のベツレヘムって東海岸と西海岸それぞれにオフィスがありましたよね。レーベルの色はカラーとして同じなんですけど、当時の両海岸のテイスト、わかりやすく言うと東のプレスティッジ・レーベルと西のコンテンポラリー・レーベル的な音がひとつのレーベル・カラーの中でグラデーションを作っているような。例えではありますが何だかそれと似ているかなと思いました。


山本:それは面白い見解ですね。今回の“02”に収録されている曲って、殆どが“01”以降にリリースされた作品の中から選んでいるんです。だから“01”と“02”を聴けば、それぞれコアポートのレーベルとしての活動も分かるし、その時代の空気も感じられるのでは、と思います。


高木:やっぱり微妙な音のカラーの違いはありますよね。今回は前作の全体的なテイストを引き継ぎつつも、加えて今の時代性というものも感じられました。


山本:前作には入っていないマイケル・リーグのグラウンドアップ・レーベルの音源も多数収録されていますからね。そういうトラックも全体の音の空気感に関係していますね。柳樂光隆さんも『GROUNDUP MUSIC × CORE PORT』を選曲しているけど、このレーベルには多種多様なサウンドがありますね。あと面白いことに、こうして出来上がったのを聴くとコアポートらしさもありつつ、やっぱりクワイエット・コーナーの選曲になっているなという手応えもしっかりあって。


『GROUNDUP MUSIC × CORE PORT』(2021)選曲:柳樂光隆 (Jazz The New Chapter)


高木:僕は、クワイエット・コーナーのフリーペーパー時代とか初期コンピがリリースされた頃から聴いていて、このブランドの価値観は変わっていないと思いますが、世の中の音楽が多種多様になっていく分だけクワイエット・コーナーのもつカテゴリーというかデスクトップにあるファイルの種類ですね、それもだんだん増幅しているなと感じます。コアポートのほうも何年もやっているとカタログが増えるのは当然ではありますが、それと連動しているような感じはありますよね。


山本:クワイエット・コーナーを続けていると、“クワイエット・コーナー”というジャンルになってくるんですよね。だから選曲や選盤をする度に、なるべくその幅を広げていって、固まらないように心掛けていますね。ただ求められる選曲もあると思いますので、その需要と供給のバランスを取りながら。


高木:例えばコアポートで言うと、いかにも“高木的”なのがあるじゃないですか。女性ジャズ・ヴォーカルとか。まあそれだけじゃないと思いたいですが(笑)。そういったひとつの円があって、その円周部にぴったりではなく少しはみ出ているとか、または別の円を作って一部のエリアはしっかり元の円と重なっている。そういう作品を1枚出すと割と広がっていきますよね。例えば今パッと思い出すのはポーランドのピアニスト、スワヴェク・ヤスクウケですね。こういった類いの音楽は、僕が昔在籍していたレーベル、オーマガトキとかヤマハ時代には出していませんでした。たぶん自分の得意エリアから少しだけ違うと思い込んでいたんですね。でも実は自分が好むもっと大きな円の中に確実にある世界なんです。そういった円環を大きくしていくことに意識的になっています。グラウンドアップ・レーベルもそうですね。これはベッカ・スティーヴンスからマイケル・リーグを紹介されて仕事をするようになったのですが、ベッカ自身の活動領域がすごく広がって、それを追いかけていくうちに自然とグラウンドアップに繋がったともいえますね。


山本:グラウンドアップはクワイエット・コーナーのディスクガイド本でも紹介しているし、その辺りはコアポートとリンクしていると思います。去年コアポートからリリースされたポールマーは、まさにそう感じました。


高木:ポールマーは今まで僕が出していたジャンルにあまり当てはまらなかったんですけれど通奏低音が既にあって、それはハニャ・ラニですね。正確にいうとスワヴェク→ハニャ→ポールマーという感じで円を広げていけたのかな。こういったものが“01”以降のリリースで割と多かったので、“01”と“02”の違いにも反映されたのかなと。


Slawek Jaskulke『Sea』Hania Rani『Home』Pallmer『Quiet Clapping』


山本:通奏低音を保ちつつ、どう変化させるかっていうのがクワイエット・コーナーの命題でもあるんですけど、コアポートの選曲をするとそれがすごく良く表現できますね。やっぱりコンテンポラリーの良質な部分を、様々な角度からしっかり見据えて、きっちり切り取っているレーベルだと思うので。ちなみに今回の中で印象的な選曲や曲とかありました?


高木:まず選曲の流れはやっぱりさすがだなと。イントロダクション的なインストを1曲目に置いて、中盤が緩やかなクレッシェンドになっていて、ベッカ・スティーヴンス&イーラン・メーラー以降のラスト5曲まではかなり心に響きましたね。ここは参りました。


山本:13曲目から16曲目までのラスト4曲はハイライトですね。


高木:ここの長く緩やかにラストまで落としていった感じがすごく気持ちいいですね。尺だけでいうと16分ぐらいですか。これって結構長いじゃないですか?


山本:はい、たしかに長いですね。でも最後はぐっと深く潜っていきたかったんですよ。というか、中盤あたりからゆっくり潜っていく感じですかね。


高木:11曲目のゼ・マノエウの緩やかなブリッジ的なあたり、そこからラストまでのまったり行く感じが不思議と飽きなかったです。そのあたりの時間感覚というか、操作の仕方はさすがだなと思いました。


山本:空間BGMとして、どんなシチュエーションでも心地よく流れるような選曲になることは意識しつつ、その中にラスト4曲みたいな、ちょっとマニアックな要素も入れて全体が綺麗なグラデーションになるようにしたかったんです。


高木:このシリーズもそうですが、レギュラーシリーズである「クワイエット・コーナー」選曲も1枚の絵のように仕上げていますが、それぞれ絵の書き方の違いは感じますね。


山本:制約された中で選曲しているから、今回のラスト4曲が描けたときは、選曲家冥利に尽きるというか、コアポートの新たな面も見られた気がしました。


高木:あと、さっきベツレヘムのイースト&ウエスト・コースト版のようだと言いましたよね。例えば14曲目のジョシュア・クランブリーはもろにLAということもありますが、12曲目ぐらいからの流れはちょっとチルっぽい感じで、昔の解釈とはまた違ったウェスト・コースト的ではありますよね。


山本:なるほど。ここ最近音響的にも注目されている西海岸のジャズ勢とリンクするようなラインナップになっているのは確かだと思います。アンビエント~ニューエイジ的な音色というか、音響空間というんですかね。ベッカ・スティーヴンスなんかは非常にプライベートな雰囲気があふれていますけど。


Becca Stevens & Elan Mehler『Pallet On Your Floor』


高木:イーラー・メーラーはビル・エヴァンスに例えられるけど、ポール・ブレイっぽいところも好きですね。そしてこの人のピアノの独特の浮遊感っていうか、そのあたりも少し共通項があるかもしれません。特にこのトラックには。


山本:チルアウトとでもいうんですかね。13曲目のハウス・オブ・ウォーターズは、民族音楽というかトライバル・アンビエントな感じもするし。


高木:ラスト16曲目のミシェル・ウィリスも70年代カナディアン・フォークとクワイアが混在したような曲で、終わり方としてはすごくいいです。


山本:個人的にも、こういう振り切った選曲ができたっていうのは、やっぱりコアポートの音源だけを使うという制約だからこそ出来たのかなと思いますね。


高木:前半の方は全体のリズムも良く、あっという間に聴き入って気がつくとコンピの中盤という感じで持っていかれました。冒頭ハニャ・ラニの「The Beach」は選曲段階でもうこれは1曲目決まりという感じでしたか?


山本:そうです。そしてジャケット写真が同時進行で偶然この写真に決まったことも大きいです。ハニャはたくさん良い曲がありますが、これも縁かなと思って「The Beach」にしました。


高木:ちなみに選曲する上でキーになった曲はありますか? 全体の曲紹介も兼ねて教えてください。


山本:まず2曲目のジョー・バルビエリ「La Giusta Distanza」は、実質この作品の名刺代わりの役割になったと思いますし、僕の考えるクワイエット・コーナーの世界観を表している1曲だと思います。


Joe Barbieri『Tratto Da Una Storia Vera』


高木:この曲はここ数年のジョー・バルビエリとは違って、初期のシンフォニックな音が戻ってきた感じがあって僕はすごく好きなんです。もちろんこれが収録されている『愛おしき記憶』というアルバム全体もかなり素晴らしいです。ジョー・バルビエリはコンスタントにアルバムをリリースしているので気がつきにくいですが、このアルバムは過去のアルバムとちょっとレベルが違いますね。


山本:彼が歌うと、一気にどの曲も彼の色に染まって本当に素晴らしいシーンが現れますよね。やはり彼のこの歌とサウンドが始まると、僕の中ではやっぱりこれがクワイエット・コーナーで紹介したい音楽だなって気がするんですよ。この曲の吸引力というか、聴き手の心を一瞬で掴む魅力がありますね。


高木:ジョー・バルビエリは近作のライヴ盤『愛おしき夜』を聴いて同様に感じたのですが、映画音楽の名作曲家に近づいているような気がして、ここ最近の彼は本当に音楽的レベルがもう数段階も上がっていると強く訴えたいです。細かいニュアンスとそこから生まれる豊かさも加わってきたので、それを山本さんがきちんと選曲で見出だしてくれたのがすごく嬉しかったです。


山本:僕の中では、これは、チェット・ベイカーの「But Not For Me」、そしてビリー・ホリデイの「The End Of A Love Affair」のカヴァーと並ぶ、決定的なナンバーですね。何度聴いても心が震えますよ。



高木:冒頭ハニャがイントロにあって、このジョー・バルビエリの2曲目で『CORE PORT×Quiet Corner: Landscape 02』という映画が始まる感じが確かにしますよね。


山本:3曲目の、グラウンドアップのナタリー・クレスマン&イアン・ファキーニのワルツ・ボサも気品に溢れていて、ジョー・バルビエリからの繋がりが気持ちよくて。


高木:この人達の過去のアルバムとかもいいんですよね。トロンボーンが時に見せるサウダージ性も気持ちいいし、デュオですが黄金の編成です。


山本:4曲目のレベッカ・マーティンは、“01”ではティレリー(レベッカ・マーティン、グレッチェン・パーラト、ベッカ・スティーヴンス)として選んだんですけど、彼女がラージアンサンブルで録音した、この曲が収録された『After Midnight』は普段からよく聴いていたアルバムだったので、今回どこかに必ず入れたいなと思っていました。


高木:ラージアンサンブル編成ではあるけどスモールコンボのような味わいの作品ですよね。ここでレベッカはリボンマイクを使って録音していて、何だかこの人の声にぴったりですよね。前曲ナタリー・クレスマンのトロンボーンと、このオーケストラの金管楽器が続くと、なぜか木管的な柔らかい響きとして感じられて、ここはうまく繋がっていますね。


Orquestra Jazz de Matosinhos featuring Rebecca Martin & Larry Grenadier 『After Midnight』


山本:5曲目のエリン・ボーディーはコアポートを代表するシンガーで、実は僕もすごく思い入れのあるアーティストなんですけど、“01”には入れてなかったんですよね。MAXJAZZレーベルからデビューした時からずっと大ファンで、たしかオーマガトキとからもリリースしていましたよね?


高木:2008年の「The Little Garden」ですよね。当時からリリースしていたサラ・ガザレクと同じレーベル(Native Language)の作品だったんですよ。それ以来、僕の在籍レーベルは変われどもエリンの作品は確か全部リリースしていると思います。


山本:ここでエリンが歌っている「Orange Crate Art」はブライアン・ウィルソンとヴァン・ダイク・パークスのカヴァーなんですけど、エリンはここ最近アメリカーナと呼ばれるフォーキーなアプローチが素敵で、僕も「Orange Crate Art」をリアルタイムでよく聴いていた作品だから、なんだか嬉しかったですね。


高木:アメリカ人が感じるアメリカーナというものをエリンのレパートリーから勉強させてもらっていますね。ヴァン・ダイク・パークスを取り上げるのはなるほどというか、本当に彼ら彼女らからみるとそうなんだなと実感しました。確かマット・デニスの曲とかも歌っていたかな。


山本:レベッカ・マーティンの「Kentucky Babe」も古いジャズのスタンダードなんですけど、「Orange Crate Art」もここに通じる古き良き時代の音楽の魅力が溢れていると思うんですよね。そういう曲を並べて聴けるのはコンピならではですし、僕がクワイエット・コーナーでやりたい選曲です。


Erin Bode『Here & Now』、Brian Wilson & Van Dyke Parks『Orange Crate Art』


高木:古き良き時代の音楽の捉え方は、クワイエット・コーナーの大きな柱のひとつですよね。


山本:続く6曲目グレッチェン・パーラトに関しては、ずっとクワイエット・コーナーでも紹介し続けている象徴的なアーティストでもあるし、コアポートを代表する看板のような存在だと思います。


高木:グレッチェンとも付き合いが長くなりました。彼女は人間的な成長が音楽とリンクしていて、なんだかアーティストの活動としては理想的ですよね。自分の中から音楽を作っていくわけですから。立場も仕事も違いますが、僕もそうあるべく彼女から学びたいですよね。


山本:7曲目ポールマーは、僕もアルバムのライナーノーツを書かせてもらいましたが、それまで彼らのことは全然知らなくて、素晴らしい音楽を教えてもらいましたね。こういう弦楽器がメインのインディ・クラシカルというのは、ここ数年よく聴いたし、これが群を抜いて素晴らしかったですね。


高木:先ほど話した自分の円を広げる意識と共に、やはりエミリーのヴォーカルのテイスト、これもリリースを後押しするひとつの要因でした。あと、これに続くベン・ウェンデルの選曲にはちょっと驚きました。


山本:後半のキーポイントはこのベン・ウェンデルかもしれませんね。コアポートにはコンテンポラリーなインストゥルメンタル・ジャズもたくさん出ているので、その中からハマりそうな曲があれば入れたかったんです。ベン・ウェンデルはECMぽいひんやりした温度感のあるサウンドだし、さっきのポールマーとの相性もいいかなと。この曲を中心にしながら、前半後半を組み立てました。


高木:なるほど、ここからの足し算引き算的な選曲なんですね。確かにベン・ウェンデルだと、選曲リストをいただいた時クワイエット・コーナーのテイストから少し飛び出ている感じがしましたが、そこをうまく他の曲ともコーティングさせつつポイントにもしてきちんと収めているんですね。


Ben Wendel『The Seasons』


山本:CDだから関係ないですけど、気持ち的にはA面ラスト曲の役割で。それでB面のスタートは10曲目アリーナ・エンギバーヤンの「Love Song」という。


高木:そういう選曲の仕方はクワイエット・コーナーが広く受け入れられる部分でありつつ、そういった硬派的なところも実はクワイエット・コーナーらしいと思います。


山本:もちろんクワイエット・コーナーのイメージも大事で、穏やかな女性ヴォーカルとかフォーキーなシンガー・ソングライターもよく紹介しているんですけど、ベン・ウェンデルのようなインストゥルメンタル・ジャズなんかも、同じくらい好きなので。


高木:聴きやすく親しみやすいというパブリックなイメージは維持しつつ、実はこういうベン・ウェンデルのようなサウンドを選ぶところがクワイエット・コーナーの本質であり、コアポートとある種リンクするところかもしれませんね。たぶんコアポートは硬派風で実は聴くと結構ソフトな感じが多いと思いますし、クワイエット・コーナーは逆の見え方かもしれませんね。その見え方だとセールスはクワイエット・コーナー優位で羨ましいです(笑)。


山本:ジョー・バルビエリやグレッチェン・パーラトあたりはコアポートのオフェンスラインで、ベン・ウェンデルはディフェンスラインなのかなと。しっかりとレーベルの価値を守っているような気がします。


高木:この選曲は、今回のコラボレーションという意味をしっかり音楽的に表現できていると思います。両者を混ぜて両者の色が見えつつ、何か新しいカラーが存在するような。


山本:ラストに向かう後半にかけての選曲はさきほどたくさん話した通りで、静かなるハイライトということで、ぜひ最後まで聴いていただけると嬉しいですね。


高木:本当にそう思います。そうそう、ジャケットの話もしましょうか。実は今回のジャケット表紙とかブックレットの中の写真は山本さんが撮ったものですよね。


山本: 2016年にモントルージャズフェスティバルの50周年の取材に行った時、現地で撮った写真です。表紙の写真は会場のそばにあるレマン湖ですね。自分でも気に入っていた写真なので嬉しいですね。


高木:はじめてこの写真を見たときから、これはジャケットに決まりだなと思いました。最初からジャケ写用で狙って撮ったような構図ですよね(笑)。


山本:そういうわけではなかったんですけど(笑)。これは湖の写真なんですが1曲目のハニャ・ラニの「The Beach」ともつながるという。不思議な縁ですね。


Hania Rani『Music for Film and Theatre』


高木:前作の“01”とジャケットを並べてみるといい感じで、なんだかシリーズの輪郭が見えてきましたよね。


山本:それがフィジカルのコンピレーションCDの魅力で、やっぱりサブスクとか画面上ではできないですからね。ここ1~2年はフィジカルをさらに見直していますよ。あとこのCDもそうですけど、きちんとマスタリングしているから、聴いていて心地いいんですよ。きれいに前後の曲が違和感ないレベルで揃えられているし。


高木:実は今回マスタリングに結構時間をかけたんですよ。葛巻さんというエンジニアの方がかなり頑張ってくれました。その音質と世界観も含めたコンピレーションCDならではの魅力だと思います。コアポートとクワイエット・コーナーの違いと類似性が一緒に入っていて、一枚を通してあっという間に聴ける作品に仕上がったと思います。


山本:今までクワイエット・コーナーのCDを聴いてくださった方なら絶対に気に入ってもらえるし、現代ジャズとか南米音楽など、幅広く興味のある方にも手に取ってほしいですね。ぜひ“03”も実現できることを願っています!

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